「天台電子仏典CD3」 2007/05/24★からぐらの風 #0003 --------------------------------------2007/05/24 ----☆「天台電子仏典CD3」☆---------------------------------------- 天台宗典編纂所から、待望久しかった「天台電子仏典CD3」が送られて来た。収録されているのは、日本天台初期(聖徳太子含む)から日本天台平安中期(源信のころ)までで上古天台の最澄、円仁、円珍、安然、源信らの全著作が網羅されている。計646書目。源信まで含まれるところがミソで、重要な中古天台の書物は多く最澄や源信に仮託されているから、文字どおり中古天台の重要典籍が含まれていることになる。 --------------------------------------------------------------☆☆---- このような他宗門のサービスを何故、ここで取り上げるかというと、学問に宗派はないという信念と、教条的なセクト主義を乗り越えなくては真実が見えないという思いからである。また、教条的な宗学を乗り越えるためにも、日蓮にとっての最澄、日蓮と同時代の中古天台への考察は必要不可欠と思うからでもある。 また、私自身が、御書全集の全巻入力、校正に三年ががりで取り組んだ体験があり、このデータ化に天台宗典編纂所のメンバーが、どのような苦労を乗り越えてきたかが見え、立場を超えてメンバーへの共感を覚えるものである。深く敬意を表したい。 この敬意は、ひとり天台宗典編纂所だけではなく、日蓮と宗学関係の多くの文献を公開してくださった興風談所や、古くは大正蔵経を公開してくださったSATなど、多くの団体、個人の無償の営為と志に捧げるものである。 ただ、私は学問で受けたご恩、学恩は自らの学問研鑽の上で報ずるしかないと思っている。その場合、先輩先学の学説に対して批判の矢を放つこともあるが、それについてはご寛恕願いたいと思う。いささか無作法であるが、それが先輩先学への敬意の表し方と思っているからである。私としては、学説への批判はあっても人格への批判はしていないつもりである。 話は戻る。「天台電子仏典CD3」は秀丸エディタでの検索を基本に据えている。データはテキストであるから、別に秀丸以外のエディタや検索ソフトでも利用はできる。しかし、ストレスのないスムーズな活用ということを考えると、今の所、秀丸が一番使いやすいことは事実である。 じつは、私が練り上げた御書の活用システムは、元来、秀丸と秀丸マクロで構成したものであった。その発想とヒントは、今は昔、パソコン通信のNIFTY SERVEの会議室でナム野本氏たちが繰り広げていた会話から多く頂くものがあった。 現在では、からぐらの友人(百舌鳥・ピノキオ両氏)の手で、それをさらに一般の人にも使いやすいものにし、御書の活用に特化した「からぐらエディット」が作られ、多くのユーザーを獲得した。今、会員制のからぐら文庫を閉鎖し、全てを公開の場で行なおうとしている現在、これを機縁に「からぐらエディット」をフリーウェアとして公開する準備にかかっている。 そのβ版では、独自のマクロ言語を搭載したものになっている。どのバージョンで公開するかを含め、もう少しお待ち願いたい。からぐらのページに「からぐらエディタ」専用のページを新設し、使用説明と、ダウンロード、アフター用の掲示板も設置する予定である。 また、話は戻る。(話があっちこっち飛んでご容赦)「天台電子仏典CD3」のデータは全て白文の漢文である。一般の人には敷居が高すぎることも事実である。しかし、こちらで検索し、該当箇所のページ数を捕まえて「国訳一切経」などの訓訳本で読むという手もある。「国訳一切経」は「大正蔵経」のページ数を併記している。 伝教大師最澄の訓訳本としては、 『日本思想大系/最澄』岩波書店 1985年刊 『天台宗教聖典III』山喜房仏書林 2003年刊がある。 源信ならびに中古天台の文献の訓訳としては、同じく岩波書店の『日本思想大系』にそれぞれ『源信』『天台本覚論』がある。 魯ひとの方で訓訳を試みたものも幾つかあるが、機会を見つけて公開したい。 しかし、できうれば、漢文の読解をマスターすることをお勧めする。形成されているテキストの量は膨大であり、研究テーマは無尽蔵である。こんなおいしいものに手を出さないなんてことはもったいなさ過ぎる。 仏教を学ぶには、漢訳ではダメで、サンスクリットやパーリ語を学ぶべきだという人もいるが、ところがどうして、漢訳仏典の層と質は厚くて深い。そんなことを言われると口の悪い魯ひとなどは、「現存のサンスクリットやパーリ仏典はブッダの滅後何年目に成立した写本ぞや」と反問してしまう。いずれにせよ漢訳仏典の世界を過小評価するのは間違いだと思う。この世界を無視して日蓮の学術研究も成立しない。 最近は、仏教漢文を学ぶ上で色々といい教科書ができているようであるが、魯ひとが学んだのは、 戸田浩暁『改訂 法華経文法論』山喜房仏書林 1988年 学恩に感謝してご紹介する。 漢文を学ぶ上で参考になると思われるホームページとしては、次のものをお勧めする。 「日本漢文へのいざない」 http://homepage2.nifty.com/kanbun/izanai/izanai-index.htm ●関連記事
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